補聴器道場

現役補聴器販売員が日々、成長のためがんばってます。

2019年04月

10年前から悪い。耳鼻科に定期的には通っているが、治療をしているわけではなく様子見の状態。

「あまり困ってないが、補聴器がどんなものか試してみたい」

両耳とも平均聴力45㏈ 語音弁別95%

リンクス3D9を試聴 目標利得100%

着けた瞬間は無表情で良いのか、悪いのかわからない感じでした。

「どうですか?私の声の大きさはどうですか?」

「もっとうるさくて大きな声になると思っていたけど、自然すぎてあんまり変わってないみたい」

「よかったです。補聴器との相性がよいみたいですね。少し大きくしてみますね」とわかりやすい様に全体的に6㏈上げ、「これですとうるさいですよね」「大きい」「では戻しますね。補聴器の音は大きくできますが、はじめはこれくらいの音が普通です。」「確かにあなたの声も聴こえやすくなってる。周りの音も大きく聴こえてる。自分の声も大きいわ。もっとザ~とかいう音がしてうるさいと思っていたが、思っていたよりはだいぶいい感じ。実はスーパーで知り合いに会ったときに内容が分からなかったり、家族のおはようが聴こえないでケンカになったりしていた。」「ですよね」

「一度考えて考えます。補聴器がどんなものかよくわかった。ありがとう。」

女性 ご購入 リンクス3D5 カナル 右

90歳女性 5年前から聴こえにくい。大事な話の時に聞き返しなしに会話をしたい。

メガネ、マスクをするので、耳穴タイプをご希望。

「主人が補聴器をしていたが、買って2週間で亡くなってしまった。私もいつ病気になるかわからないため、安いものでよい。」「左は全く聞こえないため、右につけたい。」

聴力測定を行うと左の方が悪いが、全く聴こえないわけではないようでしたので、リンクス3D両耳で試聴を行いました。両耳、右のみ、左のみの3パターンを比較してもらうと右のみが一番聴きやすく違和感もないため右のみに決まりました。

「よく聴こえるし、思っていたような雑音もないためいい。あとは価格がいくらかが問題。主人様は20万円だったため、私はそれよりは安くてよいわ。老人施設に入っていてあまり出かけることはない。騒がしいところは、食堂では30人ぐらいで食事をする。しかし、その時は誰とも会話をしないため使わないと思う。」

「でしたら、リンクス3Dの5かリンクス2の5がお勧めです。価格が大丈夫でしたら3Dの方が最新機種のため音はよいです。」

雑音を鳴らし、比較試聴を行うと

「やっぱり違うね。」となり、3Dの5カナルに決まりました。

こもり感が強いため耳道の長さを短くしたいところですが、手がご不自由のため装着がしやすい様に耳道を長くし、しかもこもり感を少なくするためスラッシュベントにしました。

装脱しやすい様に取り出しテグスをループにしました。

3か月前にワイデックス イボーク3-F2をお買い上げのお客様

「以前に使っていた補聴器の方が騒がしくうるさいがよく聴こえるため、音を大きくしてほしい」

以前の補聴器は10年前に18万円で購入されたそうで、「今回の補聴器は雑音を小さくする性能が良いので、静かに聴こえるため声の大きさでなく、聴き取り安いかどうかで比較してほしいです。」と伝えたうえで、以前の補聴器の音を聞いてみると少し上げてもよいと思い。3㏈ほど大きくし、サウンドクラスを音声聴取優先度をあげました。

様子見ていただくことになりました。

 

去年6月にご購入。アフターはがきが届いたためご来店。

「聴こえにくい。特に右が聴こえにくい」

「点検しましたら、両補聴器ともに耳垢が詰まっておりましたので、ワックスガードを交換しました。右の補聴器の電池が逆に入ってましたので、右はまったく音が出てませんでした。」

「よく聴こえる。ありがとう」

済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科診療科長

新田清一先生の本を読み大変勉強になりましたので、紹介させていただきます。
この本を読むことで自信をもって補聴器のことをお客様に伝えることが出来るようになり、その自信がお客様に伝わり、成約率があがり高額商品も販売できるようになりました。
補聴器販売を楽しくしてくれた一冊です。



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ゼロから始める補聴器診療 [ 新田清一 ]
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ゼロから始める補聴器診療 


 

序文より

「補聴器」というとなんだか難しい、よく分からない、というイメージがあるかもしれません。補聴器の構造や原理、フィッティング理論などを全て理解しようとすると、確かに大変な労力が必要です。しかし、臨床に必要な部分に限定すれば、耳鼻咽喉科医を始めとする医療者に必要な補聴器の知識は、決して多くも難しくもなく、至ってシンプルであることがわかります。これは、誰でも習得できるものです。この本を読み終えたときには、そのことを実感していただけると思います。

また、補聴器には残念ながら「高いばかりで役に立たない」「うるさいだけで大して聞こえるようにならない」など一般的に悪いイメージがあり、実際に患者さんが初診時にそのようなことを口にすることも少なくありません。しかし、これは補聴器診療の考え方や方法が誤っているときに生じることが多く、正しい方法に従って行えば、補聴器は患者さんの生活において‘なくてはならないもの’になる可能性が十分にあります。ただし、この作業には医療者、特に耳鼻咽喉科医の関わりは必要不可欠です。耳鼻咽喉科医の介入なしでは、フィッティングが成功することは難しいと考えます。その理由をこの本を読んで、是非理解していただきたいと思います。

 この本では、補聴器診療における医療者、特に耳鼻咽喉科医の役割や、医療者が知っておくべき補聴器や調整の知識を中心に概説します。補聴器診療に関わるスタッフ、補聴器を調整する補聴器販売店の方にも役に立つものと考えます。この本の目的は、補聴器診療の大まかなイメージをつかんでもらい、補聴器診療の敷居を下げて、取り組みやすくすることにあります。補聴器診療に携わる者なら誰でも、ちょっとした知識と工夫、そして熱意があれば、難聴で困っている方を‘幸せ’にすることができると思っています。一方、内容の理解しやすさや受け入れやすさを重視することで、厳密さに欠けてしまった部分もあります。またフィッティングの方法や考え方は複数存在しますが、当科の方法はその一例です。よって、より厳密な理論や様々な方法を知りたい方は、是非成書を参照していただき、さらに知識を深めてください。

 

内容より

補聴器が役に立たないと受信した患者の99%の理由が補聴器の不適切な調整である。その内93%の症例で利得、出力不足が原因である。

 

補聴器により聞き取りを改善するには、不快感を我慢して、頑張らなければならないという認識が、不足している。(売る前に伝えとかなくてはならない)

聴覚リハビリテーション(脳のトレーニング)が必要。

医療者が補聴器によって出来ること、行うべき事は「患者さんの持っているきこえの力を最大限に引き出すこと」

つまり、語音明瞭度曲線において補聴器非装用時の最良の語音明瞭度を補聴器装用時において会話音圧帯(60HL程度)で達成させること。

語音明瞭度が70%であった場合、それを100%にすることは現実的ではありません。

 

医療者からみれば明らかにことばを聞き取りづらそうにしていても、本人が困ったことがないという場合は適応とならないと考えてます。

逆に軽度、もしくは一側だから補聴器は必要ないと決めるのも問題があります。

 

聴こえない状態では脳に届く電気信号が減り、それが続くと聴覚野を含めた聴覚路に変化が起こります。難聴の脳に変化してしまう。

急に必要な音量をいれると難聴の脳は不快に感じます。

何とか我慢できて、かつ効果を実感できる音量から始めます。

目標値の70%の音から始める。

それ以下だと聞き取れず不満。それ以上だとうるさい。

 

朝起きてから、寝るまで積極的にいろいろな場所で装用してもらう。

装用時間が短いとなかなか慣れない。(不快感が続く)

装用時間が長いとドンドン慣れモチベーションが上がる。

ほとんどの患者が最初から長時間装用可能と研究の結果分かった。

年齢は関係ない。

慣れなければ、測定結果が間違えているか、補聴器の音が正確に出ていない。

 

目標

⓵装用時の語音明瞭度曲線が、会話音圧帯(60dBHL程度)で最良の語音明瞭度

⓶ファンクショナルゲイン(利得)がハーフゲイン、なで肩

 

1日着けてもらう。

初めの3日はかなりしんどい、4日でちょっと慣れたかなぐらい

1週間~2週間で慣れる。

できれば、1~2週間ごとに上げていく。細かく上げた方が慣れやすい。

3ヵ月で目標をめざす。長引くと患者さんのモチベーションが続かない。

 

初期のアフターが重要。

初めての患者さんはわからないことばかりです。特に最初の12週間は「本当にこれで良いのか」と悩む時期です。不満を聞いて対応すること、そして励ましが必要です。

 

「高齢であっても慣れます。」

確かに悪くなった耳は治りません。また限界があるのは事実です。しかし、「今より改善する」ことは事実。

 

目標を達成できない補聴器を販売してはだめ。(高度の人にCIC、高度の人に安い補聴器など)

 

両耳装用

初めはまず片耳で初めて、それで不自由が残るようであれば、両耳へ移行する方法を取っていた。結果70%の患者が片耳装用となった。

しかし、そのうち65%の人がのちに両耳へ変更となった。しかも「最初から両耳を勧めてくれたらよかったのに」「両耳価格で買えず、損した」と不満が上がった。

現在では、これらの反省から初めから両耳装用と片耳装用を試す機会を与えた上で、患者自身に選択してもらう方法をとってます。

具体的には、両耳を3か月間貸し出し、両耳と片耳を比較してもらった結果として90%の患者が両耳を選んだ。

 

調整のキーワードは「下げない」こと。

○頑張ったが装用できなかった。

測定、パソコンの設定(耳栓、ベントサイズ、ケーブルの長さ)が間違えてないか確認。

○うるさくすぎてつらい。

話を徹底的に聞いたうえで、音はそのまま。褒めて、励まして、みんなそうですよ。年は関係ないです。必ず慣れます。

○物足りない、もう少し聞きたい。

上げる。耳栓を大きなものにする。

○やる気なし、付けてませんでした。

装用意欲の問題であれば、さらに上げて効果を実感してもらう。

○うるさかったけど頑張って付けてました。

褒めたうえでさらに上げる。

○使ってはいるが、生活音がうるさい。

生活音は今までより聴こえて当たり前です。さらに利得をあげます。効果が実感できれば我慢してもらえます。

○うるさい音は下げて、声は聞き取りやすくしてほしい。

何がうるさいか聞く。しょうがない音であれば、そのことを伝える。そして上げる。

○こもりがつらく。慣れることができない。

再作。ベントを大きく。長さを短く。

○雑音の中で聞き取れないことがある。

再測定。設定の間違いなし。最良の語音明瞭度である。

これ以上は無理です。雑音の中で聞きづらいのは自然なことです。相手の方にもっと大きな声で話してもらってください。

 

 

他にもたくさんの症例が紹介されており、具体的、実践的な内容になってます。

内容も大変分かりやすくぜひ一読をお勧めです。

すこし、価格はしますが、出す価値は絶対にあります。





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