私が使用した認定補聴器技能者試験勉強ノートです。使えそうなものがありましたら、参考にしてください。
文章問題について
補聴器適合の過程で「試聴」はどのような目的で行われるか5つ述べなさい。
①日常生活において補聴器が使用できたかどうか、聴き取り(装用目的)の改善がされたかどうか確認するため(きこえのQOLの改善)
②補聴器装用効果が得られるかの確認
③装用耳の選択
④メーカーやフィッティングの違いで音質が異なるので、どの製品が最適か選定するため
⑤価格によって機能が異なるので、どのような機能が自分に必要かまた機能が有効に働きメリットがあるかどうかを確認するため
⑥電池交換、操作装用が可能かどうか練習訓練の期間として
「オープンフィット」と 「極細チューブ (thintube)」のメリット、デメリット及びどのような人(補聴器使用者)に向いているかについて詳しく述べなさい。
オープンフィットには、オープンタイプの耳栓·イヤチップを利用したRICタイプと極細チューブタイプの耳かけ型補聴器があります。
オープン耳栓により低音域の音と外耳道内の熱が放出されるため、 補聴器装用時の不快感(こもり·自声の響き)が気になる方に有効なフィッティングです。
ただし、大きな穴を開けた耳栓を利用すると低音の補聴に対して充分な効果を得ることが難しくなるため、低音域聴力が軽い方 (500Hzの聴力が30dBHL以内)向けの適合となり、
重度難聴者·低音障害の方には不向きとなります。
【RICタイプ】
《メリット》
●外耳道内にレシーバーが入ることで鼓膜に近いところに直接音を届けることができるため、より良い音質が得られる
●音導チューブで起こる結露のリスクが無くなる·耳栓·RECの変更により、重度難聴まで対応可能
《デメリット》
●耳垢が柔らかい·多い·耳だれが出ている人には、レシーバーが傷みやすいので不向き
●レシーバーサイズにより外耳道の細く小さい人、第1曲がりが急な人は装用が難しい。
●ワイヤーが不安定なため、装用が難しい。細いワイヤーが耳介上部の同じところに力が加わるので、肌の弱い方などは痛くなることがある。
【極細チューブ)
《メリット》
●目立ちにくい
●耳垢が柔らかい·多い·耳だれが出ている人でも使用可能
●チューブタイプのため安定して装用しやすい·標準フックへの変更により重度難聴まで対応可能
《デメリット》
●音導チューブへの結露トラブル
●高音域の利得が減衰する
平成29年改正の個人情報保護法は、すべての補聴器販売店にも適用されることとなった。
補聴器販売における個人情報保護法への対応事項を5つ挙げ、そのポイントを述べなさい。
1.個人情報を取得する時は、 何に使うか目的を決めて本人に伝える。
→特定した利用目的を本人に伝えるか、 あらかじめホームページや店頭での掲示などで公表する必要がある。
2. 取得した個人情報は決めた目的以外のことには使わない。
→特定した利用目的の範囲内で利用する必要がある。
3.取得した個人情報は安全に管理する。
→安全管理措置を講じ、従業者·委託先を監督する。
4.個人情報を他人に渡す際は、本人の同意を得る。
→第三者に渡す場合は、原則、本人の同意が必要になる。
5.本人からの「個人情報の開示請求」には応じる。
→本人の求めに応じて開示·訂正·利用停止等を行う。
共鳴周波数と等ラウドネス曲線の関係について述べなさい。
共鳴周波数は外耳道の長さにより3000Hz前後の値となります。この周波数では10~20dBの音圧上昇効果があるとされています。 また等ラウドネス曲線において、音圧レベルが一番低くなっているのも3000 Hz付近であり、これが成人の聴覚で一番感度の良い周波数が約3000 Hz と言われている所以です。この周波数帯が最高感度となっているのは外耳道共鳴効果によるものと言われています。
(問題2)補聴器適合検査の指針(2010) の「環境騒音の許容を指標とした適合評価」について以下の問いに答えなさい。
適合評価をどのように行うか述ベなさい。
スピーカーから検査音源用CDを用いて4種の環境音と朗読を同時に聴取させる。被験者は「補聴器を使用できる」か
「補聴器を使用するのが困難である」で回答する。朗読音は65dBで提示し、環境騒音は50 dBのSN比+15 dBで提示する。やや劣悪な騒音下を模擬する場合は55dBで、より劣悪な騒音環境を模擬する場合は60 dBで提示する。なお朗読音が小さくて聴取できない場合は聴取できる音圧レベルに変更してもよい。「補聴器を使用できる」との回答が得られたら適合していると判断する。「補聴器を使用するのが困難」の回答になったら適合不十分と判定し補聴器の再調整を行う。
問題2-1
どのような環境騒音を評価するか。4つ述べなさい。
駅のホーム
幹線道路の交差点
ビニル袋
食器の音
(問題3) 補聴器特性装置で2cm3カプラを用いて測定
した利得から実耳挿入利得の推定値を計算する場合に考慮すべき要因を3つ述べなさい。
また、耳かけ型補聴器の場合その補正値がどの程度になるか、1000HZと 4000HZの値を答えなさい。
(2cm°カプラの利得から推定挿入利得に補正する場合の値(±を含む)を記すこと。)
1. 裸耳利得
2. ヒトの耳と2㎤ カプラの感度差
3. 外耳道の形状による個人差
4. 補聴器の種類の違い
5. 出力音口(イヤホン、イヤモールド、 ダンパー)の効果
6. 通気口(ベント)の効果
1000Hzの補正値: 3dB
4000 Hz の補正値: -5dB
|
250 |
500 |
1000 |
2000 |
4000 |
補正値 |
3.5 |
2.5 |
3 |
-3.5 |
-5.0 |
(問題4)国内では、2008年を境にそれまで最も高い比率だったオーダーメイド補聴器に替わって耳かけ型補聴器が主流となり、その後もその比率は差を増している。この現象の要因について理由とともに5つ述べなさい。
1.本体とイヤホンの小型化と細チューブなどにより、耳かけ型でも目立たず装着できるようになったことで、見た目を気にする使用者の選択肢が広がったため。
2. 補聴器のデジタルチップ高性能化により多機能となり、例えばワイヤレス通信機能で補聴援助機器·周辺機器の利用が可能となるなど、 使用者の多様性に対応できるようになっただめ。
3. マイクロホンの性能向上により、指向性技術が進歩したため。
4. RIC.RITEタイプ (外耳道内レシーバー)の登場により、
高音域のみの補聴、こもりを軽減させるオープンフィッティングが可能になり、装用感が向上したため。
5. ハウリング抑制の性能が向上したため。
6. RIC.RITEタイプは冬場の結露の問題も少なく使用しやすいため。
7.防塵·防水·擦水などの機能もプラスされ、修理のリスクが軽減されたため。
8. カラーバリエーションが豊富となり、使用者の選択肢が広がったため。
9. 耳かけ型補聴器は広範囲の聴カレベルに対応可能で装着や操作が比較的容易なため。
(問題5) 乳幼児の補聴器適合が成人に比べて難しい理由を5つ述べなさい。
1. 正確な聴力側定データを把握できない。
2. 安定した補聴器の装用が難しい。
3. ハウリング抑制が厳しい。
4. 低周波数帯域の強調特性。
5.的確な装用効果測定データを取ることが困難。
6. 装用の促進と経過観察のための保護者の理解と協力。
補聴器フィッティング時に補聴器の周波数特性を測定する目的を2つ挙げよ。
また,測定結果から実際の補聴効果を評価する際の注意点を3つ挙げ, それぞれについて解説せよ。
1. オージオグラム相応しい補聴器の周波数特性と最大出力音圧を調整するため。補聴器の調整点を変更した時の補聴器の周波数特性を比較、確認するため。
2 補聴器の調整を変えた時の周波数レスポンスを比較するため。実際に装用したときの耳の音響特性と測定に使用したカブラの音響特性に差があり、 補正をする必要がある。
2.補聴器のタイプの違いにより, マイク位置による利得変化が生じる。
3. 耳せんの種類や, イヤモールドの特殊加工により低音域や高音域の特性が変化する。
4. 測定に使用するカプラによって (密閉型擬似耳と2cmカプラ)同じ調整点でも周波数特性に差が出る。
【問題 2】補聴器装用時の自声の違和感の原因とその対策を5つ挙げよ(6つ以上は減点)。
補聴器を装用することにより、耳せん, イヤモールド補聴器のシェルによる外耳道を閉塞していまい, 骨伝導による自声が鼓膜面上にて低音域の音圧が外耳道開放時より20dBほど上昇することがあり(外耳道閉鎖効果)、書段の自分の音声との差が違和感として出る。
また、耳介側頭神経、 迷走神経の耳介枝の刺激により鼓膜の可動変化が生じ,こもり感、耳閉感が生じる。
1. ベント径を大きくする。
2. オープンタイプの補聴器を選択する。
3.耳せん·イヤモールド·シェルを外耳道より少し小さく作る。
4 補聴器の周波数レスポンスを低音域の利得を下げるように調整する。
3.外耳道容積を小さくするように骨部まで耳せん、シェル、イヤモールドを入れる。
「医療機関内における補聴器外来·相談への技能情報提供に関する業界ガイドライン」(病院,診療所の補聴器外来における医療従事者の行動基準)に記載されている。認定補聴器技能者が行っていい行為と行ってはいけない行為を各5つ述べよ(6つ以上は減点)。
行ってはいけない行為
①診療報酬に係る検査
②適応決定
③耳型採取型
④医学的装用指導
⑤適合評価
⑥診療記録の記載
行える行為
①機種選択
②補聴器調整
③試聴結果に基づく再調整
の操作方法の説明
⑤クーリングオフの説明
⑥販売業者として必要な記録と適切な管理
【問題 5】特別養護老人ホームから在所者への補聴器の装用を依頼された。補聴器を推薦する前に確認すべき点を5つ挙げよ(6つ以上は減点)。
1. 本人自身の依頼かを確かめる。
2. この件は家族もしくは, 後見人の方は了承しているか。
3. 認知症は無いか。
4. 耳鼻咽喉科の診察を受けているか。
5. ご訪問時には家族または, 後見人, 施設の責任者などの方は一緒に話を聞いていただけるか。
6. 大まかな補聴器の金額を知っているか。
医療機器業公正競争規約
(1)耳鼻科医院に依頼され、「聞こえのしくみ」の院内掲示パネルを製作して寄贈した。
このパネル(わざわざ作った)を寄贈することは「無償で提供する便益」に引っかかります。
2は
医療機関内における補聴器外来・相談への技能情報提供に関する業界ガイドライン
(2)契約している医療機関の補聴器外来・相談へ、医師からの依頼が無くても積極的に技能情報提供を行っている。
依頼がないのに積極的に情報提供したら、むしろ嫌がられますよね?
3は
補聴器の適正広告・表示ガイドライン
(3)当店で聴力測定ができることを知らせる「聴力測定できます」の幟旗を店の前に掲げた。
聴力測定はあくまでフィッティングのためのもので、客寄せに使ってはいけません
4も
補聴器の適正広告・表示ガイドライン
(4)補聴器で良く聞こえるようになったとのお客様の声をいただいたので、その補聴器を宣伝するお店のチラシ広告に使用者の体験談として載せた。
使用者の声は、効能効果や安全性に誤解を生じる可能性があるので使えません。
5は
医療機関内における補聴器外来・相談への技能情報提供に関する業界ガイドライン
個人情報保護法
(5)医療機関から紹介いただいてDMをお送りしたお客様から送付停止の申し出があったが、新商品の情報は伝えるべきと判断してDMを送り続けている。
どちらにも引っかかります。病院患者の情報は病院に帰属します。
DMも事前の承諾なしに送ることは違反です。
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