認定補聴器技能者 小栗 啓が、第三者の中立的な立場でお伝えさせて頂きます。
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マスク着用で接客が難しくなっている

メラビアンの法則をご存じでしょうか?

良い接客ができていても身だしなみ、表情が悪ければ、お客様は良い接客とは思ってくれません。

マスクで顔の半分が隠れてしまうため、魅力的で頼れる店員になるためには今まで以上に努力が必要です。

良い商品を購入頂くには信頼が充分でなければなりません。

マスク着用中は、口角を上げるだけではダメです。目元でほほ笑みましょう。

感情表現、身振り手振りはおおげさに行ないましょう。

マスク越しでは声がこもります。ハッキリとした口調で話し、店内BGMは小さめにしましょう。

 

コロナ禍を前提とした提案はもう当たり前になっています。

コロナ禍で私たちの生活環境は大きく変わりました。

コロナ禍を前提としたお客様にあった提案を行なうことでお客様の共感、信頼を得ることができます。

補聴器であれば、マスクの着け外しに影響の少ない商品

メガネやコスメであればマスク着用時に目元が明るく見える商品

 

購買心理の7段階

「注意」「興味」「連想」「欲望」「比較」「確信」「決断」

補聴器はカタログや見本ディスプレイから得られる情報だけでは、買うべきかどうか顧客側で判断できません。

多くのことをお客様に伝える必要があります。

しかし、お客様に興味がないことを長々と伝えてもお客様の心には残らず、信頼を得ることもできません。

購買心理の7段階を使い順番にストーリー性を持ってわかりやすく説明しましょう。

 

①問診をじっくり行い信頼を得ましょう。

お客様のことを知ることは大切です。

それ以上に重要なのは、信頼関係の獲得です。

お客様にまだ信頼されていません。信頼頂かないとこちらの話しは聞いて頂けません。

まだお互いに相手のことが分からないうちは、お客様と自分の波長を合わせて行くチューニングをイメージしましょう。

人は自分と似た人やものに対して好感を抱きやすく、それを”類似性の法則”と言います。話すスピード、話し方、商品に求める価値観などを合わせることが重要です。相手の言動や価値観に自分のスタイルを近づけ、親近感や好感を持たせる心理テクニックを「ミラーリング」と言います。

 

何を提案するか

今の消費者は、自分に合っていると感じないと購入しないです。

「今、これが売れています」だけでは売れない時代になっていて、「なぜ売れているのか」という理由とそれが「自分の目的に合うのか」を消費者自身が求める時代です。

商品提案で重要なのは、「何を勧めるか」より、「なぜ勧めるか」です。お客様が買物して良かったと思うのは何を買ったかではなく、なぜこれを買ったかにあります。

買った目的が明確であれば、日々の生活の中で使うメリットを実感し続けるため、良かったと思うわけです。補聴器を提案する時は、必ずその目的を明確にしてお客様へ伝えましょう

 

顕在化したニーズと潜在的なニーズ

顕在化したニーズとはお客様が既に意識しているメリット、すなわち、お客様の買う目的です。

例)会話がしやすくなりたい。テレビが聞きやすくなりたい

潜在的なニーズとはお客様がまだ気付いていないメリットで新たに需要を喚起することが可能です。

例)認知症になりにくくなる。聴力の低下を防げる。

 

知らなかった補聴器を使うメリットを知る事により、欲しいという気持ちが大きくなります。

 

比較試聴

補聴器を使うメリットを知ると次は実際に自分が使っている場面を連想します。頭の中ではすでに補聴器を使っています。

ここでお客様に別の商品(確実にメリットのある商品)を薦めるとどうなるでしょうか?

今度は買うか買わないかではなく、どちらを買うかで迷い始めます。

これを心理学では「一貫性の原理」と言います。人間は一度使っていることを連想すると購入にむけて一貫した行動を取りたくなるのです。

お客様が興味を持って頂いているのであれば積極的に比較試聴の提案をしましょう。

また、よく似たテクニックで自動車のセールスマンが使う「ローボール・テクニック」というものがあります。

最初、オプションを含まない安い見積で新車のある生活を連想させることで欲望の段階に進め、そこから色々なオプション提案を始めます。最初からオプションを含んだ見積なら、予算的な理由で購入をあきらめてしまう人もこのプロセスなら買う前提でオプションを検討するようになるのです。

補聴器の場合も、手軽にメリットを得られる安い商品から、徐々に高い商品へと誘導して行くことでアップセリングを狙います。そもそも低価格帯の商品は、それをフックに高い商品へつなげて行くために存在するのであって、決してそれを売って済ませるためにあるわけではありません。

 

決定を促す

お客様が複数の候補で迷ってしまったら、商品同士の比較条件を明確にしてあげましょう。何が共通し、何を比べるのかを明確にするわけです。

複数商品の提案では、3つからが最も決定しやすくなると言われています。

3つの真ん中の価格の商品を選ぶ傾向が強いです。

消費者が後で後悔したくないという心理が、過度な選択肢を消去し無難なものを残すからです。

すごく迷った印象が強く記憶に残ってしまうと、後で後悔するリスクが高くなります。選択しやすい提案を心がけましょう。

 

クロージング

最後のクロージングの場面で、お客様が決められず、「これ買います」の一言が出てこないことは多くあります。理由は「これが欲しい」=「これを買う」ではないからです。

「このお店で買うなら、これ」は決まっていますが、本当に買うかどうかの決心がつかない状態です。ここで足りないのは客観的な後押しです。

「欲望」は感情を背景にして生まれ、「決断」は理性を背景にして生まれるので性質が異なります。「連想」→「欲望」の段階では、その人の感情に働きかけるべきですが、「確信」→「決断」の段階では、理性的に判断できる材料を提示する必要があります。

直接言われるよりも、第三者から間接的に言われたほうが、信憑性・信頼性が増す心理的効果を「ウィンザー効果」と言います。

ここでは、「お客様の聴力レベルの方はこちらを選ばれる方が多いです。」「先日同じ補聴器を購入頂いたお客様は大変喜んで使用頂いてます。」などの言葉が決断につながります。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

間違いだらけの補聴器選び

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